夏に食中毒に注意する人は多いと思いますが、秋も油断は禁物です。
インフルエンザや季節に流行する病気が気に掛かりますが、ここでは食中毒に関しての諸注意を紹介したいと思います。

食中毒患者数のピーク時期は?

厚生労働省が発表している食中毒件数を見てみますと、サルモネラやカンピロバクターなど、 いわゆる「細菌性食中毒」の発生件数は、気温の変化と似たような傾向をたどっています。 つまり、気温がピークを迎える夏から秋口にかけてが、食中毒患者数のピークでもあるのです。

秋口に注意!「腸炎ビブリオ」

中でも、秋口に注意したいのが、「腸炎ビブリオ」という菌です。腸炎ビブリオは、 塩分を好むために海の中にひそんでいて、魚介類に付着します。海水の温度が上がると、大量に増殖します。 海は、熱しにくく冷めにくいため、陸地よりも遅れて温度が上がるので、真夏よりも秋口になってからの方が、 菌が繁殖しやすくなるのです。さらに、特徴的なのは、一般の細菌に比べ、増殖するスピードが速いことです。 このため、腸炎ビブリオ菌のついた生の魚などをそのままにしておくと、あっという間に菌が増加してしまいます。 刺身や寿司、生の魚介が入った仕出し弁当などは、十分な注意が必要です。

食中毒を防ぐには

腸炎ビブリオによる食中毒を防ぐには、いくつか対策があります。まず、この菌は真水に弱いので、調理する前には、水道水で十分に洗いましょう。また、4℃ 以下の低温ではほとんど増殖しないとされています。
調理する直前まで、冷蔵庫で低温保存しましょう。冷蔵庫のチルド室などを活用するといいですね。
さらに、熱に対して弱いので、少しでも心配な場合は、中までしっかり火を通して食べることをおすすめします。
60℃で10分以上加熱すれば、菌は死滅すると言われています。

そして、全ての食中毒予防の基本は、何と言っても、こまめな「手洗い」です。
秋はイベントも多く、外で食事したり調理したりする機会も増える時期です。
衛生面にしっかり気を付けて、食欲の秋を満喫したいですね。